・他の芸術活動とはここが違う?!シュルレアリズムの特徴と美学って?
・なんじゃそりゃ?!思いもよらぬ表現方法!オートマティスムって何だ?
・変人さん、変態さん、いらっしゃい♡参加していた主な画家は?
今回の記事はシュルレアリズムって芸術活動です。
人がこの世に誕生してから今日まで色~んな美術活動が生まれてきました。
原始美術、ロココ様式、新古典主義、フォービズム、キュビズム
などなど、
シュルレアリズムってのは1919年~1939年第一次世界大戦終結から第二次世界大戦勃発まで(いわゆる戦間期)にフランスで起こった文学、芸術活動です。
日本ではフランスのシュルレアリスムから「シュール」という言葉が生まれましたが、
これって日本独特の概念であり表現なので本来の目的からは外れてます。
ではどういった芸術活動だったのか?
芸術やら美術の解説って専門用語や小難しい表現が多くてよく分かんないよ?
って言ってるあなたのために、
でっきるだけ分かりやすーくお伝えします。
なので是非最後までお付き合いして下さい。
↓この記事を書いたのは、
改めまして、籏山 隆志(はたやまたかし)といいます。
勤続40年+αの勤め人です。
このまま勤め人として人生終えるなんて、
まっぴらゴメンの助!とばかりに60歳からプロの画家っ!の画家Gさんです。
複業でサラリーマンやりながらの活動で、
突っ走ってます。
そんな画家人生の中で、あがいて、もがいて、のたうち回りながらでも
・乗り越えてきたこと
・絵に関すること
・お散歩スケッチで見つけたこと
などなどをお伝えします。
余談だよ、シュルレアリズムとシュルレアリスムってどこが違うの?って話ね。
アニメ「エヴァンゲリオン」の映画に出てきたAAAヴンダーって空中戦艦があるよね、これがAAAブンダーになったからって性能が変わるわけじゃあるまいて。
それとおんなじで、シュルレアリズムとシュルレアリスムってのは同じです。
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【シュルレアリズムの美学って何だ?】
現実の中の非現実?!
ダダイズムが詰んで興った?!シュルレアリズム?
シュルレアリズムって言葉は、
ポーランドの文学者であり美術評論家でもある人物ギョーム・アポリネールが生み出した造語です。
そのシュルレアリズムを芸術表現として広めたのがパリの詩人であるアンドレ・ブルトンって人っ!
このアンドレ・ブルトンがいきなり、
シュルレアリズムはじめましたーっっっ!
って高らかに宣言した訳じゃないです。
元々ブルトンはダダイズムっていう芸術活動に参加してたんだね。
でもってダダイズムこそがシュルレアリズムを語る上で非常に重要になってくるんだこれが。
ダダイズムの根本的な考え方は「理性の否定」で、
更に特徴的なものとして「作為の否定」「意識の否定」があります。
例えば、風景を描くとしたらどんな絵にするか?って考えるよね。
・写真みたいな写実的な絵
・パステルカラーを使ったポップな絵
・抽象的な表現をした絵
などなど・・・
てなことを全く決めないで偶然現れたモノを作品にし表現するって言う考え方です。
アンドレ・ブルトンはフロイトやユングの哲学、精神学、心理学、
更にジョルジュ・デ・キリコの実際に見ることが出来ない現象やら風景を描いた絵(形而上的絵画)などを参考にしてシュルレアリズムを宣言しました。
で、そんなこんなの「無意識」「無作為」によって作品を制作するって言うダダイズムの考え方がシュルレアリズムに受け継がれたんだね。
特にダダイズムの基本的な考えの1つ「無意識」は、
ダダの活動がこれ以上は壊す方法を思いつかなくなっちまって、
詰んだーっっっ!
ってなったときアンドレ・ブルトンが目を向けたんです。
てな感じっ次っ!
シュルレアリズムってどんな活動だったのかお伝えします。
【シュルレアリズムの美学って何だ?】
現実の中の非現実?!
なんじゃそりゃ?!
シュルレアリズムは無意識の世界へのアクセス!
フロイト、ユングらによる「無意識」の研究は当時の芸術家達に非常に強い影響を与えたんだね。
ユングの言う「集団的無意識」ってのは、
人と人の無意識の世界は繋がってんだよっ!
だそうな。
で、この頃の芸術家達はこの「無意識」の世界へのアクセスを試みたんだね。
でもって、
この時に取られた技法の1つにオートマティズム(自動筆記)ってのがあります。
オートマティズム(自動筆記)ってのは
・書く内容を全く考えない
・ただ思いついた事をドンドン書いてくのが基本
・理性が介入する余地がなくなるまでスピードを上げる
てな感じっ!
要は文字を無意識に書きなぐるわけね。
ただこの考えは、
文字に対してであって絵の表現となると話が違ってくんだな。
なんでかってーと、
文字による表現はノートなり紙なりに直接ひたすら書きなぐればいいけど絵の場合イメージに変える時どうしても意識してしまう部分が出てくんですね。
そんな事から作家のピエール・ナヴィルは
絵によるオートマティズムって無理なんじゃない?
なんて述べてます。
シュルレアリズムってのは日本語に訳すと「超現実主義」って意味です。
けどここで言う「超」ってのは「現実をぶっ飛びこしてる絵空ごとっ」って意味じゃない。
これと真逆で「現実過ぎなぐらい現実」って意味で、
超オモシレーじゃん!
超カッケーじゃん!
みたいな意味での「超」っす。
つまり「これは夢か?幻か?」なんてことが起こったとしても、
ぜーんぶ現実だと認めること。
目の前で異常と思えることや、
うおおおっ、マジかっ?ありえねーっっっ!
って事が起こってもそこんトコロは突っ込まない方向で。
そこを突っ込んだ瞬間に、
何かへんじゃね?
って認識してしまってるのでシュルレアリズムは成立しなくなるんですな。
なんか小難しい禅問答みたい。
てな訳で次っ!
シュルレアリズムに参加していた主だった画家さんを解説していきます。
【シュルレアリズムの美学って何だ?】
現実の中の非現実?!
変人さん!変態さん!社会不適合者が勢ぞろい?!
シュルレアリズムに参加していた画家。
ジョルジュ・デ・キリコ
ジョルジュ・デ・キリコの作品の特徴は代表的なものとして「形而上絵画」(実際に見ることが出来ない現象や風景を描いた絵)です。
これらの作品から受ける印象は、
・目をくらまし、惑わす(幻惑)
・困ってどーしたらいーか分からん(困惑)
・心配に思ったり、恐怖を感じる(不安)
・寂寥感{せきりょうかん}(物悲しい感じ、人気の無い寂しい景色)
・薄ら寒さ
なんかを感じます
あなたはどう感じますか?
こんな風景の中に立ってたら上記の様な感覚に陥るでしょ。
たとえば現実に、
夕方家に帰ったら夕闇が迫るなかダーレもおらん!
明かりも付いてねー!暖房も入ってねー!生活音が何もしねー!
(寂寥感)
とか、
全く人気のない広場に一人寂しくポツンと立ってたら、
建物の影からやけに背が高く、物腰柔らかく、言葉使いも丁寧だがその目は異常に血走ってる。
でもって目をそらした瞬間にキバの生えた口で首筋にガブッて・・・
(不安)
そう、なんだかヴァンパイアでも潜んでる様な気がしてきます。
キリコは途中、古典的な絵画様式に変わったりしましたが、再び形而上絵画に戻ってます
キリコの全部の作品ではありませんが、
一つの絵の中に消失点が複数入ってます。
いろーんな建物の消失点がビミョウにズレてて、
現実ではありえねーって言う感じのパラレル(平行、並列)な空間を作り出してます。
これはキリコがミスったんじゃなくて意図的に作り出したものなんですね。
てな感じっ、次っ!
マックス・エルンスト
ドイツの画家、彫刻家、グラフィックアーティスト、で詩人でもあり、
ケルンダダの創設者です。
1914年ケルンでダダイストのハンス・アルプと出会い、意気投合して死ぬまで交友を続けました。
1919年には社会改革者ヨハネス・バーグレーらとケルンダダを創設っ!
1919~1920年にマックス・エルンストとヨハネス・バーグレーは様々なダダ情報誌を発行してダダの展示会も企画したんです。
そんなんでマックス・エルンストはダダイズムとシュルレアリズムを結ぶ重要な画家さんです。
絵画の正規教育は受けてなく幼少の頃から絵を描くのが好きだったんですね。
大学時代にはアウトサイダー・アート(精神病患者の作品)に興味を覚えて、
ゴッホ、ゴーギャン、ピカソの作品に影響を受けて画家を目指しました。
マックス・エルンストの絵の特徴は「幻視」(げんし)です。
「幻視」ってのは、
・海岸の岩を見つめてたら人の顔が浮かんで見える
・ベニア板をジッと見てたら群衆が見えてきた
とか言ったもの。
「幻覚」の中の1つにあたり、他に「幻聴」「幻臭」ってのがある。
エルンスト幼少んときの話。
はしかに罹り熱でウンウンうなされてる時、
天井の羽目板の木目が目玉や鼻に見えるなど幻覚にとらわれる様になったんだそうな。
それ以来「幻視」の力がヒッジョーに強くなって人類学とか生物学の教材なんかを眺めてると、
自身の頭ン中に絵のイメージが浮かんできてそれらをキャンバスに展開していったんだと。
そんなこんなをイメージにするのに使った手法が
・コラージュ
写真やら絵、文字なんかを新聞、雑誌などから切り抜いて、
キャンバスなどに貼り付け1つの作品にしたもの。
・フロッタージュ
物の上に紙を敷いてエンピツでこすって、模様を浮かび上がらせる手法。
・グラッタージュ
絵具を載せたキャンバスを物の上に置き、絵具をパレットナイフなどで削り取って模様を浮かび上がらせる手法。
・デカルコマニー
キャンバスに絵具を塗ってその上にがラス板などのツルツルするものを押し当てて引きはがし偶発的な模様を得る手法。
などなど。
これらの新技法を駆使して制作された作品も多数あります。
と、言う事で次っ!
サルバドール・ダリ
シュルレアリズムの立役者でスペインの画家さんです。
ダリの絵の特徴は通常の現実世界を表現するんじゃなく飽くまでもダリの頭ン中にある世界。
・だまし絵的なイメージの作品
・エログロに皮肉ったメッセージが入った作品
・戦争、宗教、心理学、物理学、数学を取り入れて表現した作品
などなど。
いろーんな形で表現する一種異様な世界観は解読不能、意味不明で不快な印象をすら受けるとこもありますが、
どっかコミカルな感じもします。
それに加えて職人技を見せる写実的な表現が加わり正に画家ダリの独壇場って感じです。
だって、一回見たらあなたの脳みそにぶっ刺さって絶対忘れんでしょ。
空想力が強力で、こーんな不気味なイメージが描けるだけでも頭ん中どーなってん、って思うよね。
それにプラスしてそのファッションやヘンテコなヒゲ、その風貌も含めて変人、変わり者、社会不適合者な変態紳士だねこりゃ。
上記3人以外にも、
・マン・レイ
・アンドレ・マッソン
・パブロ・ピカソ
・パウル・クレー
・ジョアン・ミロ
・ピエール・ロア
・ハンス・アルプ
・イブ・タンギー
など何人かみえます。
シュルレアリズムの輪郭って詩人のアンドレ・ブルトンによって明らかに決められてるんですが、
この輪郭にバッチシ当てはまる画家さんはそんなに居ません。
シュルレアリズムって、
造形的【注】な方法を定義してません。
なので画家さん達は思い思いのやり方で新しいイメージを生み出したんだね。
【注】
感性、想像力を発揮して対象や事象を、形、色なんかを目線でとらえて自分自身のイメージで作品を作り上げること
パウル・クレーは一応シュルレアリストん中に入ってますますが、
シュルレアリズムのグループに直接加わったことは有りません。
なぜかってーと、己の造形思考に従って、
シュルレアリズムとは隔たった方法論を作ってたんですね。
そんなんだからグループからは距離を置いてたんです。
パブロ・ピカソは一時シュルレアリズムのグループに接近はしましたが、
加わることは有りませんでした。
何でか?
この時すでに様々な絵画様式を確立していたピカソなんで、
シュルレアリズムもピカソにとっては通過点に過ぎなかったんですね。
だいたいさ詩人が考えた定義に当てはまって、
論理的にあーたらこーたら、小難しい事考えてたら絵なんて描けねーじゃん。
そりゃまあ、構図がどう?とか、配色はどーする?とかは画家なんで考えますが。
てな感じっ!
んじゃまとめっ!
【シュルレアリズムの美学って何だ?】
現実の中の非現実?!
まとめ
シュルレアリズムって言葉は、ポーランドの文学者であり美術評論家でもある人物ギョーム・アポリネールが生み出した造語である。
そのシュルレアリズムを芸術表現として広めたのがアンドレ・ブルトンと言うパリの詩人である。
アンドレ・ブルトンはフロイトやユングの「哲学」「精神学」「心理学」
更にジョルジュ・デ・キリコの実際に見ることが出来ない現象やら風景を描いた絵(形而上的絵画)などを参考にしてシュルレアリズムを宣言した。
「無意識」「無作為」によって作品を制作するって言うダダイズムの考え方がシュルレアリズムに受け継がれた。
この「無意識」の領域にアクセスを試みるのにオートマティズム(自動筆記)などが用いられたが、
このオートマティズムは文字による表現には向いているが絵画の表現には向いていないと画家のピエール・ナヴィルは述べている。
シュルレアリズムに参加していた画家
・ジョルジュ・デ・キリコ
・マックス・エルンスト
・サルバドール・ダリ
・マン・レイ
・アンドレ・マッソン
・パブロ・ピカソ
・パウル・クレー
・ジョアン・ミロ
・ピエール・ロア
・ハンス・アルプ
・イブ・タンギー
他。
戦間期にフランスで起こった前衛的な芸術活動シュルレアリズム。
美術、芸術の解説って専門用語や小難しい表現多くてよー分からんかったがGさんの記事ですこーし分かった!
なーんて言って頂けたら望外な喜びです。
最後までお付き合い下さりありがとうございました。
ではまた別の所でお会いしましょう。
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