こんにちは画家Gさんの籏山隆志です。
私は普段アクリル絵の具を使ってポップで漫画チックな絵を描いています。
人間がこの世に誕生してから今日まで色~ンな美術活動が生まれてきましたが、
ロココ様式、新古典主義、フォービズム、キュビズム、シュルレアリスム
などなど、
今回は美術史の中でも美術史の起源とも言うべき原始美術についてお伝えします。
これから技術の進歩とか研究が進んでくと新しい発見とか発掘とかがあるかも知んないね
出来るだけわかり易く解説していきますんでどうか最後までお付き合いしておくんなまし
「原始美術」ってなんだ?
興りと背景について解説します。
そもそも原始美術ってなんなのか?
ってーと、
プリミティブアートですね。
プリミティブってのは、初期、古風、始原っていう意味と未開、素朴って言う意味があります。
美術史の上でのプリミティブって言う言葉は、
・先史時代の美術
・現存の部族社会の美術
・ルネサンス直前の美術
・近代の素朴派絵画
などに対して使われます。
その中には未開発部族社会の美術も含まれていて、
ブラックアフリカの彫刻、オセアニアの原始民族の作品があります。
それらが持つ単純明快、そして強烈な本能的造形表現は、
印象派以降のフォービズム、キュビズム、表現主義などの20世紀の芸術運動に大きな影響を与えてるんですね。
例えば、キュビズムの創設者と言われるパブロ・ピカソ。
この当時の美術界を騒然とさせたピカソの「アヴィニョンの娘たち」などは一見して、
ブラックアフリカの仮面から得た発想によって描かれていることが分かります。
ただ原始美術って、生活をしてく上で必要のない遺物、遺構なんだなこれが。
呪術【注】などの手段として作られたものなんで一応は美術的な作品?ではあるんだけど、導入部分でも言ったようなやり取りがあるんも事実、
でもって、壁画を描いた目的が宗教的な儀式のためだったとしたって、宗教が生活と関係ないってことは無いよね
たとえば原始人んなかに『ネ・ア~ン・デル・タ・アール』とか『クロ・マニョ~ンズ』な~んて名前の芸術家が存在してて、今日まで歴史に名を残してりゃあ、その作家が残した作品が超弩級のアートになったかも知んないけど・・・
んな訳でアートの定義自体が曖昧だし、原始美術がアートと言えるかどうかの議論はこれからも果てしなく続きそうです。
【注】呪術ってのは、
超自然的、神秘的なものの力を借りて望む事柄を起こさせる事です。
日本語で使うところの「呪」の字は「呪(のろ)う」とか「呪い」って言われてるよね。
なんだか他人に災いが起こるように仕向ける意味で使われてるんで、とお~ってもイメージが悪いんだけど、良い結果をもたらすために行われることだってあるんだよね。
例えば豊作祈願、合格祈願、雨乞い、除夜の鐘、初詣なんてのも呪術っていや呪術なんじゃね?
話戻します、
原始美術が約4万年前からとすれば、
キリスト誕生から今日までの20倍もの気が遠くなるような長~い時間があります。
なので原始美術の時代から今日までを1年間とすると、ルネサンスの登場でさえも、その年の12月30日の早朝になるんですね。
こんな風に美術史の殆どは原始時代で占められてて、私達が学校などの歴史で習う美術ってのは美術の歴史のほんの数行でしかありません。
なんとまあ人類誕生から原始美術は始まり、今日に至る人類美術史の大部分は原始美術の時代なんですねこれが。
そん中で特に限定的に用いられる場合は、先史時代の美術と部族社会の美術を示します。
が、この2つは全く性格が違ってるので前者を先史美術か始原美術と呼び後者を部族美術と呼んで区別してます。
その中には、
①ヨーロッパ
人類が絵画、彫刻みたいな美術作品を作り始めたのは後期旧石器時代です。
つまり約3万年前のオーリニャック期、ペリゴール期、ソリュートレ期を経て、約1万年前のマドレーヌ末期までで、
ヨーロッパの各地で洞窟彩画、刻画、岩陰浮き彫り、道産美術がつくられました。
多くの遺跡が
南フランスの山地、
北スペインのカンタプリカ山脈にあるので、
フランコ・カンタプリカ美術とも呼ばれてます。
洞窟美術遺跡には、
・フランス
ラスコー
ペシュ・メルル
ニオー
レ・トロワ・フレール
・スペイン
アルタミラ
エル・カスティーリョ
・イタリア
レパンツォ
などなど、なんと約100ヶ所もあります。
②アフリカ
サハラ砂漠とかアトラス山中に岩面彩画、彫刻が広~く分布しており、
・アルジェリア
タッシリ・ナジェール
南オラン
アハガル
・マリ
アドラル・デ・ジフォラス
・ニジェール
アイル
・チャド
ティベスティ
エネディ
・リビア
フェザン
などの山岳地帯に遺存してます。
③アメリカ
アメリカ先住民の環境、生活、原語が多様であるように、その美術も極めて多様なんですね。(現代でも多様な多民族国家ですが)
造形活動の中心は北西部海岸で漁労民と呼ばれる、
・トリンギト
・ハイダ
・チムシアン
・クワキウトル
・ヌートカ
・サリシ
などが、
人物、動物、鳥、神話的怪獣などの特異な主題を、
・建物
・トーテムポール
・大カヌー
・木箱
・仮面
などに施してます。
またアメリカ合衆国の西部、南アメリカで多くの岩面刻画、岩面彩画が発見せれつつあります。
④オセアニア
ニューギニア島は部族美術の宝庫で、
・ヘールヒンク湾岸
・センタニ湖
・フンボルト湾岸
・セピク川の流域
・フォン湾岸
などに優れたものが多く発見されてます。
⑤インド
マディア・プランデシュ州を中心とする中部インドの山岳地帯に多くの岩陰があり、それらに膨大な岩壁画が描かれています。
西はチェンバル川盆地、東はワーラーナシ、南はマハーデオ山地の間に散在してます。
とまあザックリですが、などなどの先史美術、部族美術があります。
次の章では、そんな遺跡で見つかった作品?を紹介していきます。
「原始美術」ってなんだ?
これって作品なん!?
先の章でも表しましたが、ほんの一部ですが紹介します。
さすがに作者は不明です。
↓下記は様々な洞窟壁画で、洞窟壁画ってのは黄土、赤鉄鋼、二酸化マンガン、炭などで描画されたものです。
「クニャック洞窟の洞窟壁画」
引用元:ウィキペディア
ラスコーの洞窟壁画「背中合わせのバイソン」
引用元:ウィキペディア
アルタミラ洞窟壁画
引用元:ウィキペディア
旧石器時代は洞窟壁画ばかりではなく、
↓「ブラッサンプイで出土した象牙彫りの女性頭部像」(紀元前2万年頃/フランス)なんて彫刻も出土してます。
「ブラッサンプイで出土した象牙彫りの女性頭部像」
引用元:ウィキペディア
中石器時代になると、洞窟壁画じゃなくて※ペトログリフ(岩盤画)が多くなってきます。
ペトログリフで知られてるのは、
スペイン東側沿岸のレバント美術
スカンジナビア半島からロシア北部の極北美術
などが知られてます。
レバント美術
引用元:ウィキペディア
極北美術
引用元:ウィキペディア
などがあります。
※ペトログリフ
岩石や洞窟の壁に削って刻まれたもので、洞窟壁画との違いは描いたか、彫ったかの違いです。
新石器時代になると土器が作られるようになり、そこに線状の模様が描かれるようになって、洞窟壁画やペトログリフは見られなくなります。
が、この時期にいっち番目立ってるのが建築ですね。
ストーンヘンジ
引用元:ウィキペディア
ストーンヘンジは、ロンドンから西に約200㌔のイギリス南部・ソールズベリーから北西に13㌔程ん所に位置する環状列石(ストーンサークル)のことで、
円軸状に並んだ直立巨石とそれを囲む土塁からなっていて、考古学者はこの直立巨石が紀元前2500年から紀元前2000年の間に立てられたものだと考えてます。
それを囲む土塁(どるい)、堀(ほり)が作られたのは更に紀元前3100年頃ではないかって言われてます。
夏至の日に、ヒール・ストーンと呼ばれる高さ6㍍の玄武石と中心にある祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇るんで、これの設計者は非常に高い天文学の知識があったんですね。
更に、倒れないよう安定させるために石と石の間に凸凹があり、非常に高い技術が使われてます。
遺跡の目的は、
・太陽崇拝の祭祀場(さいしじょう)
・古文の天文台
・ケルト民族のドルイド教徒の礼拝堂
などなど、色んな説が飛び交ってますが、未だに結論はでてません。
プールナブローン・ドルメン(支石墓)
引用元:ウィキペディア
支石墓(しせきぼ)は、ドルメンとも呼ばれ、新石器時代~初期金属器時代にかけて、世界各地で見られる巨石墓の一種です。
基礎になる支石を数個、埋葬地を囲むように並べて、その上に巨大な天井石を載っける形をとります。
これら以外にも、石器時代の遺跡では無いかと思われるものが存在しており、更に新しい遺跡が何処かでゼッタイ見つかると思います。
では今回のまとめとしてどうぞ、
「原始美術」ってなんだ?
あとがき
原始美術とは?
・プリミティブアートです。
プリミティブってのは、初期、古風、始原っていう意味と未開、素朴って言う意味があります。
・今回は、先史時代の美術と部族社会の美術の事を書いてます。
この2つは全く性格が違ってるので、前者を先史美術か始原美術と呼び、後者を部族美術と呼んで区別してます。
・ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、オセアニア、インド等の先史美術、部族美術があります。
・旧石器時代は洞窟壁画だけではなく彫刻なども見られるようになり、
中石器時代になると洞窟壁画に変わりペトログリフ(岩盤画)が多く見られるようになります。
更に新石器時代になると土器が作られるようになり、そこに線状の模様が描かれるようになって、洞窟壁画、ペトログリフは見られなくなります。
この時代に最も目立つのは建築物です。
・原始美術が約4万年前からとすれば、キリスト誕生から今日までの20倍もの気が遠くなるような長い時間があり人類誕生から原始美術は始まり、今日に至る人類美術史の大部分は原始美術の時代ってことになります。
人類創世とともに生まれてきた原始美術。
この原始美術と言う分類自体、20世紀に入ってから出てきたものです。
非常に古い時代のモノであるがために、見つかってる作品はそんなに多くありません。
そもそも作品と言っていいのかどうかさえハッキリしてないんが現状です。
でもこれから技術の進歩や研究が進んで行くと原始美術って言うカテゴリーが無くなったり、全く違う呼び名になったりするかもですね。
だもんだから2026年には完成するって言われてんだぜ。
ゼッタイこの目で見てみたいぜ!
そこのあなたはどう思いますか?
どうも最後までお付き合い頂きありがとうございました。
ではまた別の所でお会いしましょう。
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