
こんにちは画家Gさんの籏山隆志です。
私はトーマス・マックナイトが好きで、ポップでマンガチックな絵を描いています。
あなたは、芸術作品、美術作品って何を思い浮かべますか?
芸術作品、美術作品って一言でいっても、絵画、彫刻があったり古典的なもの前衛的ものとイロイロありますが、
例えば、ロマン主義、キュビズム、シュルレアリスム、ダダイズムなどですね。
今回はその中で前衛的な絵画活動、「野獣」な絵と言われたフォービズムについて解説していきます。
どうぞ最後までお付き合いしてください。
「野獣な絵」?!フォービズム運動って何?
魅力はズバリ!色彩でしょ!!
絵画の歴史ってモノをリアルに描くのが主流でしたが、写真の登場によって当時の画家さんの達はその必要性を感じなくなってあんまりリアルな絵を描かなくなったんですね。
そんなこんなで登場して来たのが印象派と呼ばれる絵画技法です。
印象派ってのは画家自身の感覚を、感じた光景を、画家の感性を絵画に表現してます。
この印象派の流れに続いて登場したのが「フォービズム」とよばれる芸術活動です。
フォービズムの主な特徴は下記に示したものです。
①純色を用いた明るく濁りの無い色。
②画面構成を重視しているが、平面的な描写。
③モチーフは形の正確さを失い、細部描写の簡略化。
などがありますが、何と言っても1番の魅力は①のその強烈な色彩でしょ。
色と色の調和なんざ完ムシした色使い。
思いつくまま気の向くままに色を載せていった感がありますね。
そんな彼らの絵を描いた見た批評家のルイ・ヴォークセルが、
「野獣(フォーヴ)達に囲まれているようだ」
と言い放った事からこの名が付きました。
まあ、ヴォークセルに悪気があったかどうかは分かりませんが、悪口がそのまま呼び名として定着してしまったんですね。^^;
色彩を再現のためではなく、感情の表現のために使ったゴーギャン、ゴッホ。
その流れを引き継ぎ、さらに高めたのがフォービズムの画家さんの達で、
ゴーギャン、ゴッホ以上に自由な色使いをして内的感情や感覚を色で表現したアバンギャルド(前衛的)な活動だったんです。
まあ、こんなこと言っちゃなんですがゴーギャン、ゴッホの流れを引き継いでるんで特に新しい事をやってる訳じゃ無いんですね。
では次の章でどんな画家が参加していたのか、その作品と共にお伝えします。
「野獣な絵」?!フォービズム運動って何?
「フォービズム」運動に参加した画家とその作品
モーリス・ド・ヴラマンク
徹底した自由主義な画家で、絵画についてもあらゆる伝統、教育を拒否して、少年時代に多少絵の手ほどきを受けた位で、ほぼ独学でした。
フォービズム運動に参加していた画家の中で、最もフォーヴを感じさせる人物で、彼の描く絵を見ると正に熱い思いを持って本能の赴くまんま己の感性に従ってキャンバスに向かってますね。
そんな風なのでキュビズムと言う論理的な解釈で表現をする運動を攻撃したりしました。
ヴラマンク自身も語っていますが、絵を見てわかるようにゴッホの影響を強く受けてますね。
フォービズムから離脱した後は、ド派手な色彩は一転して茶色や白を基調にした何だか陰鬱な感じの絵を描くようになりました。
アンドレ・ドラン
フォービズム運動で指導者的な役割を果たした画家です。

1905年にアンリ・マティスと共に地中海に面した港町のコリウールに滞在し制作をしており、この街のとーっても豊かな色彩はドラン、マティス二人の絵の作風に非常に大きな影響を与えたんですね。
このドランと言う画家は風景画から人物画、静物画まで様々な画題の作品があって、その画風もジョルジュ・スーラを思わせる点描風な風景画やピカソを思わせるキュビズム風な静物画まであります。
アンリ・マティス

フォービズムのリーダー的な存在で、
「フォービズムが全てではないが、全ての基礎だ」
と言う言葉を残していますが、本人はフォービズムと呼ばれたりすることを非常に嫌ってました。
上記の画家さんの作品もそれぞれのモチーフの形は正確さを無くしてますが、画面構成の形を選ぶのにはこだわりがあったみたいで、画面の構成を重視したんですね。
いずれの画家さんの作品も、見ての通りド派手な色使い、明るく強烈で
「ありえねーっ!」的な色使いでのびのびと描かれてるとこなんざ、まるで子供のイタズラ描きに見えます。^^
この他フォービズム運動に参加していた画家に、
・ジョルジュ・ルオ-
・アンリ・マンギャン
・アルベール・マルケ
・ラウル・デュフィ
・ジョルジュ・ブラック
などなど、
それでは、今回のまとめとして、
「フォービズム」運動!
まとめ
この活動自体約3年と短い期間でしたが、その後の美術史に非常に大きな影響を与えた運動でした。
この活動に参加していた画家達は皆それぞれ別の道に進んで行きました。
フォービズムの主だった特徴は、
①純色を用いた明るく濁りの無い色。
②画面構成を重視しているが、平面的な描写。
③モチーフは形の正確さを失った、細部描写の簡略化。
荒々しく筆跡をガッツリ残した描き方や、ハデハデで明るく強烈な色使いで有りながらのびのびと、自由におおらかに描かれてるところは子供のイタズラ描きの様にみえます。
いかがでしたか、今回のフォービズムで生まれた作品の数々。
美術に興味が薄いあなたにも何か刺さるものがあったのでは?
最後までお付き合いして頂きありがとうございました。
また別の所でお会いしましょう。