画家目線 PR

【ピカソ『ゲルニカ』】は“爆撃”じゃ無い!“新聞”だった!?

ゲルニカ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

引用元:西洋絵画美術館

この記事を読んで分かること
  • この絵って何でモノクロ?
  • 描かれた”馬”は誰なの?
  • ランプの目玉は〇〇です!
  • 泣き叫ぶ民衆!彼ら”目”が見てるものって何?

今回はパブロ・ピカソの傑作《ゲルニカ》を「ああ、また内戦の話ね」だけで終わらせない、「もう一歩深く踏み込んだ“別の見方”」を解説します。

視覚の暴力に満ちたこの絵――ですが、「なぜこんな構図にしたのか?」「なぜ“色”を捨てたのか?」「なぜあの“馬”が悲鳴をあげているのか?」
そんな細部に目を凝らすと、この絵が単なる戦争の悲劇じゃなくて、“報道される現実”そのものへの批判として描かれていることが見えてきます。

そんなこんなを、斜に構えて見ていきますね。

ぜひ、最後までお付き合いしてください。

noteXもやってます。ぜひ覗いてみてください。

👇️初のKindle本です、Kindle Unlimitedなら無料で読めちゃうんだこれが👇️

休日にお散歩スケッチ楽しんでます

はじめに

ピカソの《ゲルニカ》。
スペイン内戦中、ドイツ軍による無差別空爆を受けたバスク地方の小都市「ゲルニカ」の惨状を描いた作品です。美術館、教科書、図録などなどで、一度は目にしたことがありますよね。

  • モノクロームで構成された巨大なキャンバス
  • 叫ぶ女、倒れた兵士、燃える家、歪んだ馬
  • 一切の色を排した視覚の地獄絵図

「戦争の悲惨さを告発する絵」――
もちろんそれは間違いじゃありませんが、それだけでは見落としてしまう要素が、山ほど詰まっているんです。

今回は、あの絵に隠された“もうひとつの顔”を探っていきます。

【ピカソ『ゲルニカ』】なんで白黒?

ピカソは、あれだけ色彩の魔術師と言われる人物です。なのに、《ゲルニカ》はなぜか白黒

これは単なる「陰惨な雰囲気を出すため」じゃありません。ピカソはあの絵を”「新聞の印刷物」みたいに描いた”んですね。

つまり、《ゲルニカ》は「ゲルニカ空爆そのもの」じゃなくて、「それが報道された“メディア上の現実”」を描いているっていう見方ができます。

この解釈が腑に落ちると、絵の端々に散りばめられた“新聞紙風のタッチ””印刷されたような線画”の理由が見えてきます。

つまりピカソは、「出来事」じゃなくて、「それを伝えるメディア」の歪みを暴いていたんですね。

【ピカソ『ゲルニカ』】「馬」は誰!?

中央で絶叫している馬。この馬は単なる動物じゃなくて、さまざまな象徴を背負っています。

  • 無防備な民衆の象徴
  • ヨーロッパの伝統的な価値観
  • 芸術そのものの“悲鳴”

ピカソは、伝統的な戦争画のヒロイズム(英雄的叙事詩)を破壊しようとしてました。この馬は、まさにその価値観が暴力にさらされ、傷つけられ、叫んでいる姿に見えます。

しかも、馬の体には新聞のコラージュのようなテクスチャが描かれています。そんなところから、叫び声までも“記事”として消費されていく社会への警告みたいに。

ランプの目玉、あれ何なの?

上部にある奇妙な“電球のような目玉”。これも、見逃せません。

このランプはただの照明じゃなくて、「監視の目」とも「報道の目」ともとれるモチーフ。つまり、すべてを照らしているようで、何も伝えていない光

現代に置き換えるなら、「スマホ越しに事件を見て、誰も止めないSNS的まなざし」っていいう立ち位置かもです。

ピカソはこのランプに、ただ見るだけ、ただ記録するだけの“視覚の暴力性”を込めたのでは?って感じます。

【ピカソ『ゲルニカ』】“群衆”は何を見ている?

登場人物たちは皆、極端なまでに“視線”が強調されています。

  • ギョロリと見開いた目
  • 焦点の合わない目
  • 泣きながらも虚空を見つめる目

彼らは一様に、「何かを見てしまった」人たち。でも、それが何だったのかは、絵の中では明言されてません。

この“見えない敵”こそ、無差別に暴力をふるう権力や、顔のない国家、そして私たち観る者自身を映す鏡になってるんですね。

【ピカソ『ゲルニカ』】は戦争の絵じゃない!“報道”のいびつさを描いた絵!!

まとめ

《ゲルニカ》は、戦争の悲惨さを訴えるプロパガンダ絵画じゃありません。それだけじゃ浅いって感じます。

むしろピカソは、

  • 戦争の「出来事」よりも、「それがどのように“報じられ、記録されるか”」
  • 現実の暴力そのものより、「その暴力に“無自覚で加担する目”の存在」
  • 芸術が「何を描くか」より、「どんな視線を社会に突きつけるか」

――そんなテーマを問うています。

だからこそ、見るたびに

  • 怖い
  • 重い
  • 問い

が湧いてくる。

この絵は、過去の事件を描いた壁画じゃなくて、私たちの“今”を見返してくる鏡です。

そんなこんな視点で、もう一度この「ゲルニカ」を鑑賞してみてください。全く違った感じで見えてきますよ。

どうも最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

ではでは、noteXでもお会いしましょう。

👇️初のKindle本です、Kindle Unlimitedなら無料で読めちゃうんだこれが👇️

休日にお散歩スケッチ楽しんでます