引用元:Wikipedia
歴史的な名画を斜めから観て、ツッコミをいれてみました。
- この絵、肖像画じゃない!?
- 女性はターバンなんざ巻いて無い!
- 耳飾りは、本当に真珠?
- これは〇〇を描いた絵
はじめに
「モナリザ」と並んで“世界で最も有名な女性”とも称される、《真珠の耳飾りの少女》
- 「神秘的な少女」
- 「フェルメール・ブルー」
- 「静謐な光」
など、教科書的な感じで語られ尽くした感がありますよね。
ですが――この絵、本当に“少女の肖像画”なの?実は、その前提からして疑わしい。
その視線、その潤んだ瞳、そのつややかな唇――確かに美しい。
でも、そこに「名画のミステリー」があるんですね。
この記事では、「なんかきれいだよね」で終わらせない、“この絵に潜む違和感”を拾い上げながら、新しいフェルメール像に迫っていきます。
それでは、ぜひ最後までお付き合いしてください。
改めて籏山 隆志(はたやまたかし)といいます。
絵描き歴30数年。
還暦超えのプロの画家っ!の画家Gさんです。
- 絵に関する悩みとか困りごと
- 乗り越えてきたこと
- お散歩スケッチで描いた絵とか見つけたモノ
などなどをお伝えします。
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よくある“真珠の耳飾りの少女”の解説をおさらい
美術書に書かれているのは、こんなド定番な内容です。
- モデルは不明。「青いターバンの少女」とも呼ばれる
- ターバンはオリエンタルなスタイル=当時流行した“異国趣味”
- 光の魔術師・フェルメールの代表作
- 真珠は“純潔の象徴”。少女の清らかさを示している
――と、まあ、ここまでは美術検定とか学校の試験にも出そうなお話。
ですが、この絵、本当に“誰かの肖像画”なの?
ということで、そこんところを次で突っこんでみますね。
この絵のは「肖像」じゃない!?
意外かもですが、美術史上でこの作品は”肖像画(portrait)”じゃなくて、”トローニー(tronie)”っていうジャンルに分類されます。
トローニーって何?
実在の人物を描いた肖像画とは違って、表情や民族衣装、キャラクター性を研究・表現するための“顔のスタディ”です。
つまりこの少女――“誰か”じゃなく、“なにかを演じる顔”です。
なので、この絵は「少女の内面を写し取った」わけじゃなく、「異国風ファッションの中で、ある表情を演じる顔面」を描いた絵なんですね。
次の章で、この絵のタイトルにもなってるターバンについてね。
ターバンが怪しい。17世紀オランダにいたの?
この少女がかぶっているターバン(というか布ぐるぐる巻き)は、17世紀のオランダ市民の格好じゃありません。
当時のヨーロッパではオリエンタル趣味が流行してて、「トルコ風」「東洋風」といった“想像の異国”がアートのモチーフとして好まれてたんですね。
つまりこの衣装、中東出身でもなんでもなく、「異国趣味コスプレ」の可能性が高いんです。
少女というより「“異国の美”を演じる役者」っていう感じで見ると、この絵の印象はガラリと変わってきます。ってな感じで注目される”青いターバン”です。
が、それ以上にアテンション・プリーズなのが”真珠の耳飾り”ね。次の章で、その真珠について切り込んでみます。
あの“真珠”、本当に真珠?
最大の謎、それがタイトルにもなっている「真珠の耳飾り」です。
この真珠、実は――形がいびつすぎるって思いませんか?
- 真珠にしてはサイズが大きすぎる
- フックもピンも見当たらない=浮いているように見える
- 単なる“光の点”と陰影で描かれている
つまり、この耳飾り、フェルメールの“光の演出装置”の可能性があります。
あえて言えば、「真珠の耳飾りの少女」っていうんじゃなく、「耳元に光が当たってる顔」なのかもです。つまり、彼女の表情に目線を集めるために描かれた”エア真珠ね”
そんなこんなで次いきます。女性?少女?の表情に注目してみます。
この絵は“今にも消えそうな、まばたきの前”を描いている
少女の顔をじっと見てください。
あのうるんだ瞳、半開きの唇、そしてターバンの中に消えていく影。
全体に漂う“つかみどころのなさ”は、フェルメールが“瞬間の一歩手前”を描いたからではないかと考えられます。
この絵を観てきた結論は
- まばたきをする寸前
- 何かを言いかけたその一瞬
- 肖像になりきる前の、生きてる顔
これが、17世紀の画家フェルメールが現代にも届かせた、“呼吸する絵画”の秘密かもですね。ってな感じで次で”まとめ”としておきます。
まとめ:フェルメールが描いたのは、“誰か”ではなく、“なにか”
この絵に
- 名前はない
- モデルも不明
- 衣装も現実離れしている
だからこそ、これは単なる「美少女の絵」っていうんじゃなく、「人間の顔というものの神秘と、光による演出」に対するフェルメールの実験だったんじゃね!?って感じますが、あなたはどう思いますか?
“フェルメール・ブルー”にドップリ浸りながら、どこか現実感がないこの顔。それは私たちが毎日見ている「誰かの顔」じゃなくって、「フェルメールの“理想の顔面”」なのかもですね。
次にこの作品を美術館で見るときは、彼女に感情移入せず、「この顔、どこまでが現実で、どこからが演出なんだろう?」と問いかけてみてください。
きっと、フェルメールの天才性が“神秘”じゃなくって“技術”として立ち上がってきますよ
そんなこんなで、最後までお付き合いして頂きありがとうございました。
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