ありがちな解説に飽きたあなたへ
- ゴッホはなぜ、あえて枯れかけの花まで描き込んだのか?
- 花も背景もほぼ同じ色に塗るという、常識破りの技法に込められた狙いって何?
- 当時の画壇から「雑」とまで言われた《ひまわり》が、色彩の革命と呼ばれるまでの経緯は?
- 一見明るい黄色が、実は孤独や死生観とも結びつく理由
- この絵が、ある画家仲間への友情と挑戦の証だったという事実
引用元:SANPO美術館
はじめに
あなたは、ゴッホの「ひまわり」って聞いて、どんなイメージが浮かびますか?黄色くて明るくて、ゴッホの魂がこもった情熱の絵……そらま、たしかに、その通り。
ですが、ホントにそれだけ?
この記事では、美術本とか教科書にありがちな「背景説明」とか「解説」を一度脇に置いといて、ゴッホの「ひまわり」を、もう一度別の目線で見直します。
でもって、この作品の中にある「不安」や「狂気」さえも感じ取っていきます。
ぜひ、最後までお付き合いしてください。
改めて籏山 隆志(はたやまたかし)といいます。
絵描き歴30数年。
還暦超えのプロの画家っ!の画家Gさんです。
画家人生の中で
- 絵に関する悩みとか困りごと
- 乗り越えてきたこと
- お散歩スケッチで描いた絵とか見つけたモノ
などなどをお伝えします。
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ゴッホ「ひまわり」
ありがち“背景解説”
一般的な美術解説ではこう語られます。
- 「ひまわり」は全7点ある(1点は焼失)
- アルルでの“ゴーギャン来訪”を歓迎するための室内装飾
- 黄色=友情や希望の象徴
- 生前は無名だったが、死後に評価が高まった
- ゴッホが描いた当時はもっと鮮やかな黄色だった
――ってな感じで、「んなこたぁもう何回も読んできたから、飽きたーぁ」ですよね。
さらに、美術書にゃ載せらんないトンデモねーエピソードに、
でも、それって「作品の表面にしか触れてないんじゃ?」っていうのが、この記事の出発点です。
ゴッホの「ひまわり」
何で、こんなにも“静かに不気味”!?
実際に「ひまわり」をよく見てください。
明るい色彩に包まれているのに、なぜか静かで、不安定な印象を受けませんか?
- 花瓶にぎゅうぎゅうに押し込まれた花たち
- 活き活きと咲く花の横で、しおれ、萎れ、首を垂れる花
- どこか“止まった時間”のような背景
そう、これはただの「明るい静物画」なんかじゃありません。
ズバリ一言!「生と死が同居する沈黙の絵」です。
ということで、「ひまわり」の”何”を描いているのか?次の章から考察していきます。
ゴッホの「ひまわり」
“花の盛り”よりも、“終わり”を描いている
なぜ“ひまわり”を選んだのか。
それは、ひまわりがあっという間に枯れてしまう花だから。
絵の中には、開花のピークを過ぎた花が多く含まれています。
ゴッホはただ「明るい部屋を飾るため」に描いたんじゃなく、「枯れる寸前の美しさ」にこそ執着していたのでは?
「花の死に際こそが、本当の命の表情だ」
そう語っているようにも思えます。
この絵を描いたとき、ゴッホはどんな状態だったのか?次の章で考察します。
ゴッホ「ひまわり」
“黄色の狂気”――ゴッホの精神状態
この作品は“黄色の絵”としても有名です。
実はこの時期、ゴッホは極端に黄色に執着していました。
- 黄色の家、黄色の壁、黄色の家具
- ひまわりの黄色だけで10色以上の絵具を使い分けている
- 胃腸の不調でキナクリン系の薬(副作用に色覚異常がある)を服用していた可能性
この黄色が、ただの「希望の色」と言い切れないのは、“内面の不安を抑えようとする必死な明るさ”だからです。
ってな感じで、この絵を鑑賞してると、”狂気”と”正気”の間を揺れ動きながら、必死の形相で絵に向かってるゴッホの姿が見えるような気がします。
そんなこんなを、次の章で、もう少し掘り下げていきます。
ゴッホ「ひまわり」
この作品の本質は“自画像”!?
ある研究者は、「このひまわりの絵こそが、もう一つの自画像だ」と言いました。
たしかに、咲き乱れる花、萎れた花、腐りかけた花――それはまるでゴッホ自身の精神の断片のようです。
花瓶という枠に閉じ込められた花々は、“理性”に押し込められた感情”のようにも見えます。
だからこそ、この絵には、観る者の感情をざわつかせる「何か」があるんです。
という感じで、次の章で今回のまとめとします。
ゴッホ「ひまわり」:まとめ
もう一度「ひまわり」を見に行こう
「ひまわり」は、決して“明るくてきれいな静物画”なんかじゃありません。
それよりも、「美しさ」の裏に潜む“崩壊寸前の精神”を映し出した、極めて個人的で暴力的な絵です。
次にこの「ひまわり」を見るときは、どうか真正面から見て、絵の中の花々の目をじっと見つめてください。
きっと、そこに隠された「もうひとつのゴッホ」が、“狂気”と共に、静かに語りかけてきます。
という感じで、最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
また、別のところでお会いしましょう。
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