【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』迷っている人へーー1〜5巻を読んでわかった評価・感想・おすすめポイント!
- 『屍囚獄 1〜5巻』(全5巻)それぞれの特徴・テーマ・恐怖演出の違い
- シリーズを通して一貫して描かれる“閉鎖空間の狂気”の構造
- 村の異常な風習や設定が、巻を追うごとにどのように深掘りされていくか
- 各巻の見どころ・緊張感のピーク・印象に残るシーン
- 誰におすすめできるホラーなのか、逆に注意しておきたいポイント
- 1〜5巻まで読んだときのストーリー全体の流れと、恐怖の積み重ね方
- これからシリーズを読み進めるうえで知っておくと楽しめる視点
【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』(全5巻)
■はじめに
この記事では、室井まさね氏が描く本格サバイバルホラー『屍囚獄』シリーズ1〜5巻をまとめてレビューしていきます。
人口43人という閉ざされた寒村。女が50年生まれていないという奇妙な風習。
その中に足を踏み入れた女子大生たちが、逃げ場のない狂気と惨劇に飲み込まれていく──シリーズ全体を通して、恐怖の密度が少しずつ高まり、読者の緊張が解ける瞬間がありません。
巻を重ねるごとに真相が輪郭を帯び、キャラクターの心理が崩れていく様子が生々しく描かれるのが本作の魅力です。
この記事では、各巻の見どころや恐怖演出のポイント、シリーズ全体で何が語られているのかまで、できるだけネタバレを避けながら丁寧に紹介します。
逃げ場ゼロのサバイバル感、極限状況で揺らぐ人間の心。
そんな緊張感を味わいたい読者にこそ届いてほしい作品です。
それでは、ぜひ最後までお付き合いしてください。
改めて籏山 隆志(はたやまたかし)といいます。
絵描き歴30数年。
還暦超えのプロの画家っ!の画家Gさんです。
画家、作家人生の中で
- 絵に関する悩みとか困りごと
- 書いた本、読んだ本に関すること
- お散歩スケッチのやり方
などなどをお伝えします。
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【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』1
女子大生6人 VS 狂気の村──『屍囚獄1』が放つ圧倒的閉塞感!本気で「逃げ場ゼロ」を体感する作品
この本は、異様な風習が残る寒村を舞台にしたサスペンスホラー。
密閉空間の恐怖と狂気のスピード感が際立つ一冊でした。
ちょこっとネタバレありで、魅力・見どころ・おすすめ読者までわかりやすく紹介します。
■①作品の概要
これは、室井まさね氏によるサスペンスホラー作品。
大学レポートのために人口43人の寒村を訪れた女子大生6人が、奇妙な風習と猟奇事件に巻き込まれていく物語です。
「女が50年生まれていない村」という異常設定を軸に、逃げ場のない恐怖が加速していきます。
■②印象に残ったポイント
最も印象的だったのは、村そのものが“捕食者”のように描かれている点です。
到着した直後から、
- 村人たちの不気味な視線
- 陰湿な沈黙
- 説明のつかない風習
そんなこんなが、ジワジワ読者の神経を締め付けてきます。
ホラー作品って“仕掛け”が見えると怖さが薄れるものですが、屍囚獄はその逆で、村全体が巨大な trap として機能しているため、先が読めない恐怖が途切れません。
具体例として、序盤の猟奇事件の描写は圧巻でした。
「絶対に逃げられない」ことが視覚的にも心理的にも伝わってくる演出で、女子大生たちの混乱と絶望がこちらまで伝染してきます。
また、村人たちの価値観や“異常なのに日常”として生きている姿が、狂気にリアリティを与えているのも巧妙です。
読んでいて、ただの残酷描写ではなく、“この村にいるだけで命が削れる”感覚を味わえるのが、本作の大きな魅力だと感じました。
■③メリット・デメリット
▼メリット
▼デメリット
【注】ホラー好きには刺さる一方、耐性が無いあなたは注意が必要です。
■④こんな人におすすめ
■⑤まとめ
「屍囚獄 1」は、異常な村に閉じ込められる“圧迫感”が非常に強く、スクロールするたび胸が締めつけられるホラーでした。
逃げ場ゼロのサスペンスを味わいたい方は必読です。
続きが気になる一体感の強さも魅力。
気になった方はぜひチェックしてみてください。
【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』2
血と叫びに満ちたスプラッター・サスペンス、その衝撃は2巻で加速!
この本は、狂気と風習が渦巻くサスペンスホラーで、閉鎖空間での“壊れていく人間心理”が突き刺さる一冊でした。
では、少しだけネタバレありで、魅力・恐怖演出・おすすめポイントまでわかりやすく解説します。
■①作品の概要
本作は、室井まさね氏によるスプラッター・サスペンス。
レポート作成のため寒村を訪れた女子大生6人が、土砂崩れにより閉じ込められ、村に潜む狂気と異常な風習に巻き込まれていく物語です。
極限状況での心理崩壊と猟奇描写が特徴です。
■②印象に残ったポイント
「閉じ込められた場所で逃げ場がない」──本作の恐怖は、この状況設定から一気に加速します。
村人たちの異常な視線、どこか噛み合わない会話、さらに“女性が外から来た者にしか見せない異様な反応”。
序盤から読者の不安を煽り続け、スクロールする手が止まらない。
特に印象的だったのは、仲間内の信頼が徐々に崩れていく過程。
外側の狂気だけでなく、内側でも恐怖が増殖していき、些細な疑念が爆発する瞬間がとにかく痛々しい。
仲間の悲鳴が届いても助けに行けない、助けに行けば自分が危ない──そんなジレンマがリアルで、読んでると胸が締めつけられます。
また、スプラッター描写は容赦がなく、ただの恐怖ではなく“生理的な寒気”を呼び起こすレベル。
ただ血が出るだけでなく、そこに至る背景と狂気の理由が見え隠れするため、恐怖の奥行きが深い点が魅力でもあります。
「この村では何が起きているのか?」「なぜ女子大生だけが標的になるのか?」
謎が謎を呼び、読者の好奇心と恐怖心を同時に刺激する作品です。
■③メリット・デメリット
▼メリット
▼デメリット
■④こんな人におすすめ
■⑤まとめ
「屍囚獄2」は、村に潜む狂気と、女子大生たちが壊れていく様子を息詰まる筆致で描いたスプラッター・サスペンスです。
逃げ場のない閉塞感が読んだ後もシッカリ残り、ホラー好きなら体験して損はありません。
【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』3
美しい画面構成が恐怖を倍増させる。絵の力で“怖い”を表現した傑作巻
この本は、閉鎖的な村で起こる猟奇事件を描いた、残酷描写と謎解きのバランスが絶妙で“止まらない恐怖”が魅力の一冊。
少しだけネタバレありで、内容・魅力・おすすめ読者までわかりやすく紹介します。
■①作品の概要
「屍囚獄 3巻」は、人口わずか43人の隔絶された八坂村を舞台にしたサバイバルホラー。
民俗学調査で訪れた大学教授・助手・女子学生たちが、奇習と狂気に満ちた村で次々と起こる惨劇に巻き込まれていきます。
3巻では、村の“男が生まれない”という奇習の真相が徐々に輪郭を帯び、恐怖が一段と加速します。
■②印象に残ったポイント
3巻で最も印象に残るのは、「村の狂気が表面化する瞬間」の描き方です。
閉鎖空間ならではの圧迫感、さらに村人たちの行動の異様さが、一コマ一コマにじわりと染みついていきます。
特に、教授や学生が惨殺されていく中で、“自分たちはもう逃げられない”と悟るキャラクターの表情が恐ろしくリアル。
読む方も強烈な絶望感が伝わってきます。
また、猟奇的な描写が目を背けたくなるほど残酷である一方、美しく構成されたカット割りや陰影の使い方が、ホラー特有の“見たいけど怖い”という背徳的な感情を刺激します。
ついついスクロールしてしまう……そんな読書体験を生み出しているのが本巻の強みです。
さらに、村の奇習の謎が少しずつ解き明かされていく展開も秀逸。
情報が小出しにされるため推理する楽しさがあり、恐怖と知的好奇心が同時に煽られていく構造になっています。
■③メリット・デメリット
▼メリット
▼デメリット
■④こんな人におすすめ
■⑤まとめ
「屍囚獄 3巻」は、極限状況の恐怖と謎解きの面白さが同時に楽しめる濃厚ホラーです。
閉鎖村で徐々に狂気が露わになる展開は、一度読み始めれば止まりません。
残酷描写に耐性がある方には、間違いなく“読む価値あり”の作品です。
続きが気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』4
残酷さと謎が同時に爆発する『屍囚獄4』はシリーズ屈指の恐怖回
この本は、緊迫感と残酷さが加速する、恐怖の正体が一気に輪郭を帯び、逃げ場のない地獄が迫ってくる巻でした。
少しネタバレありで、内容・魅力・おすすめ読者まで丁寧に解説します。
■①作品の概要
『屍囚獄 4』は、室井まさね氏によるサスペンス・ホラー漫画。
女の生まれない寒村に閉じ込められた女子大生たちが、狂気と風習に飲み込まれていく物語です。
本巻では、村に根付く“禁忌の風習”が明らかになり、生存者たちの運命が大きく動き始めます。
■②印象に残ったポイント
4巻では、これまで断片的に描かれてきた村の秘密が、一気につながっていく点が最大の見どころです。
特に、手足のない老女・宇受売が語る“長年受け継がれてきた風習”の告白シーンは、静かに語られているにも関わらず、背筋が冷たくなるほど恐ろしい瞬間でした。
また、美琴の背後に天狗の面をつけた男が現れる演出は、まさに“ホラー漫画の理想形”。
読者に「来るぞ……来るぞ……!」という緊張を与えつつ、実際に襲来するタイミングは一瞬。
その切れ味の鋭さが、スクロールする手を止めさせません。
個人的にもっとも胸を締め付けられたのは、“生き残った5人”の中に流れる、恐怖と疑心の空気。
味方であるはずの仲間同士でさえ心を許せず、常に「次に死ぬのは誰なのか」と予感させる構成は、本作の残酷さと物語の巧みさを同時に感じさせました。
容赦ない展開ですが、だからこそ読み進めずにはいられない力があります。
■③メリット・デメリット
▼メリット
▼デメリット
■④こんな人におすすめ
■⑤まとめ
『屍囚獄 4』は、物語の謎が核心へと迫り、恐怖と絶望が一気に濃度を増す巻でした。
閉村ホラーの魅力を存分に味わえるだけでなく、5人の運命がどう転がるのかという強烈な続きが気になる展開。ホラー好きなら必読の一冊です。
【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』5
狂気の村、クライマックスへ突入!緊張感が跳ね上がる最終巻
この本は、狂気の村で生存をかけて逃げ惑う、恐怖の密度が一気に濃くなる一冊でした。
若干ネタバレありで、魅力・緊張感・誰に刺さる作品かまでわかりやすく解説します。
■①作品の概要
本作は、室井まさね氏によるサバイバルホラー。
女子大生・美琴が狂気に満ちた隔絶村から逃げ延びる中で、仲間を失いながらもわずかな希望を探す物語です。
5巻では、夜の山林での逃走劇、うずめや貴彦との離散、不気味な能面の男の出現など、緊迫度が一気に跳ね上がります。
■②印象に残ったポイント
5巻で特に印象的なのは「孤独の恐怖」が一気に押し寄せる展開です。
これまで仲間を頼りに動いてきた美琴が、一瞬にしてひとりぼっちになり、暗い山林をさまようシーンは、本能的な恐怖を掻き立てます。
読んでいて思わず息を詰めるほどの緊張感があり、「この先どうなるのか?」という焦燥感がじわじわと増幅していきます。
また、不気味な能面の男の登場シーンは、静寂の中に突然差し込む“異質”そのもの。
ページを開いた瞬間に体が強張るほどの存在感を放っており、追い詰められる美琴の恐怖がそのまま読み手に乗り移ってくるようです。
特に、能面の無表情さが逆に狂気を強調しており、キャラクター性よりも“殺意の塊”として描かれている点が刺さります。
さらに、うずめや貴彦がはぐれてしまうという「絆の断絶」も本作の焦点。
わずかに残っていた希望が絶たれ、読者の感情も一緒に落ち込む──そんな感情変化を巧妙に作り出す巻でした。
■③メリット・デメリット
▼メリット
▼デメリット
■④こんな人におすすめ
■⑤まとめ
『屍囚獄5』は、これまでの恐怖と絶望が一気に濃縮された巻です。
美琴の孤独と追い詰められていく恐怖がダイレクトに伝わり、ただのホラーではなく「生存のドラマ」としても読める一冊。
緊張感ある展開を味わいたい方には強くおすすめです。
【Kindleマンガ】レビュー『屍囚獄(ししゅうごく)』(全5巻)
■あとがき
『屍囚獄』1〜5巻を通して感じたのは、「恐怖には段階がある」ということでした。
閉鎖空間の不穏さから始まり、奇習の異様さ、逃げられない絶望、さらに人間そのものが脅威へと変わっていく過程。
巻を追うごとに恐怖が積み重なり、最後には読者まで追い詰められていくような、そんな構造の物語でした。
特に5巻に至るまでの流れは、単なるホラーではなく“サバイバルとしての物語性”が際立ちます。
誰が生き延びるのか、何がこの村を狂わせているのか──その答えに近づくほどに深まる不気味さ。
これこそが『屍囚獄』の真骨頂だと感じました。
もしシリーズを読み進めようか迷っている方がいれば、この記事が一つの指標になれば幸いです。
恐怖と緊張の濃度を味わいたいなら、ぜひ一度ページを開いてみてください。
どうも、最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
