アクリル絵の具の特徴と使い方とは?
わかりやすく解説します。

こんんちは、画家Gさんの籏山隆志です。
私は普段アクリル絵の具を使ってポップで漫画チックな絵を描いてます。
これから絵を描いてみようと思ってるそこのあなた、
「アクリル絵の具」を使うことをオススメします。
なんと言っても、
・特別な溶剤を必要とせず使いやすい
・1つの絵の具で水彩画風にも油彩画風にも描ける
・耐久性、耐光性が高い
などですね。
この記事ではアクリル絵の具の特徴やはじめに揃える道具を紹介して行きますので、
どうか最後までお付き合いして下さい。
アクリル絵の具の特徴とは?

アクリル絵の具の特徴として、メリットな部分ですね、
①1つの絵の具で色~ンな表現が出来る(水彩画風、油彩画風)
アクリル絵の具の使い方には大きく分けて2つの使い方があります。
・水分量を多くして透明水彩画風に
・水分量を少なくして油絵風に
更に、2つの技法を同時に使っても全く問題ありません。
アクリル絵の具はそんな風に両極端な使い方が出来る非常に自由度が高い絵の具です。
「へぇ~っっ!すんげー便利な絵の具じゃん!!」
って思ったそこのあなた、
そーなんですアクリル絵の具ってすんげー便利な絵の具なんです。
それだけじゃありません!
各種のメディウムを併用することで表現方法が倍増します。
メディウムって何?って思ったあなた、
メディウムってのは、
乾燥速度を変える、透明度を高めるなど混ぜるだけで絵の具の性質を簡単に変えることが出来る画材の1つです。
②何にでも描ける
キャンバス、木、紙、布、石、コンクリート、ガラスなどなど、固形物であれば殆どの物に描けちゃいます。
③乾くのが早い
この乾燥が早いっていうのは絵を描くうえで非常に大きなメリットになり、
大体10分もあれば乾きます。
もっと急ぐんであればドライヤーを使えばものの1分位で乾かすことが出来ます。
要するにそんだけ早く色を重ねて緻密な絵を描くことが出来るということですね。
④乾くと耐水性になる
乾くと完全な耐水性になって、乾いたところは水に溶けません。
つまり、何度色を重ねても下の色が溶けてくることがないので、
何回でも美しく重ね塗りが出来、
違う色を何層も重ねて複雑な色合いを表現できます。
更に便利なとこは、失敗した部分があっても、多少メンドイですが修正が出来ます。
⑤発色が鮮やか
アクリル絵の具って、
アクリル樹脂と顔料を混ぜた絵の具で、
チューブから出した時アクリル樹脂は少し白っぽくなってますが、
乾くと無色透明になります。
要するに乾くとアクリル樹脂の色が消えて、絵の具本来の色がまんま見えます。
⑥透明度が高い
アクリル絵の具は下の色が透けて見えるので、
下地の色を生かして重ね塗りで混色するという描き方をする場合、
とお~っても便利です。
⑦匂いが殆ど無い
あくまでも油絵の具と比較してですが、
本格的に絵の勉強をするとしたら、油絵を選ぶ方が見えると思います。
油絵を描いたことがある方は分かりますが、結構キョーレツな匂いがするし、
とくにテレピン油の匂いはなっかなか消えません。
なので、油絵を描くとなるとアトリエ用の部屋を用意しないと家族、同居人のヒンシュクを買います。
(同好の氏か、よほど理解がある方でないとムズいです)
が、アクリル絵の具は絵の具を溶くのに水を使い、溶剤などの匂いのするものは使いません。
ほぼ無臭と言っていいですね。
⑧耐久性、耐光性が高い
屋外展示や日当たり良好なとこに置いてても劣化しにくい。
(とは言っても限度があるんで長期間の屋外展示や直射日光にさらすのは避けましょう)
⑨柔軟性が高い
アクリル樹脂が多く含まれているので、持ち運びの際、丸めたり、折り曲げても、厚塗りをしたり盛り上げてもヒビ割れたりしない。
などが主だった特徴ですが、アクリル絵の具にデメリットな部分って殆どありません。
ただ、上記のメリットな部分がデメリットになる事があります。
中でも①③⑥
ですね、
①水彩画風、油彩画風に描ける
デメリットと言うべきもんじゃありませんが、
透明水彩画や油彩画を完璧に表現出来る訳ではありません。
どんなに水で薄めようと、透明水彩の透明感は出せないし、思いっ切り盛り上げても油絵のような重厚感は出せません。
いくら多分野に優れてると言っても、
無いものねだりしても無理なんでそこんトコロ意地んなって、
「アクリルで透明水彩を表現するんじゃーっっっ!」
「フッフッフっ、我はアクリルで油絵を完コピして見せようぞ!」
なーんてのはムダな努力なんで止めましょう。
アクリル絵の具を生かした表現を追求した方のが、よっぽど建設的です。
③乾燥が早い
これがいっち番気を付けたいとこです。
ドンドン描き進めるには良いんですが、筆やパレットに置いた色が乾くのも早いんです。
例えば、
「れれっ?!筆がカッチンコチンになってる!」
「ありゃ~!パレットの絵の具が固まってんじゃん!!」
なんて事が多々あるんで、
・筆を置く時はチョットの間でも必ず洗う。
・パレットに出してあって再度使う色は、上から水スプレーをするか若干水を加えておく。
・更に数日に渡り使う時は、上の状態でラップを掛けておくことで、2、3日は持ちます。
が、それ以上置いておくと夏場など異臭を放つ場合があるんで、ほどほどで使い切りって下さい。
それと、パレットはプラスチックやホーロー、木製のものじゃなくて、紙パレットがおススメです。
⑥透明度が高い
要するに隠蔽力(いんぺいりょく)が弱いんです。(隠す力ね)
透明度が高いって事は、下の色が透けやすいって事で、ある程度絵を描いたあとで、
「うわっ!ここ気に入らね~っ!!」
「あっ!ヤベっ!!まちがえたーっ!!!」
なーんて一部を修正しようと思って違う色塗っても、下の色が透けて見えちゃいます。
なので透けなくするには、何回も塗り重ねて修正することになるんで、そこがメンドイですね。
大体100%完璧な画材なんてありゃしませんがな。
まあそんなこんなで、
「へぇ~っ!面白そうじゃん!!」
そう思ったそこのあなた、次の章で最初に揃える道具を解説します。
アクリル絵の具!最初に揃える道具は?

まずは最初に揃える道具を解説します。
ただ気を付けて欲しいのは、
なぜかってーと、
・耐久性、耐光性が不明
・色数が8色のみ(赤、青、黄、緑、黒、白、茶、黄土)
・発色があんま良くない
・透明度が低い
・筆の場合、穂先がバラける
ぜ~ったい使うな、なんて言いませんがせめて練習用にしましょう。
私が実際に使っているものを紹介します。
・絵の具
「リキテックス・アクリル絵の具レギュラータイプ」
色々あるアクリル絵の具の中でもアクリル絵の具って言ってたらこれっていう位の定番です。
(私の中ではです)
「アムステルダム・アクリリックカラー・スタンダード」
他の製品に比べると大量に絵の具が入っているんでコスパが高いです。
まだ、制作に慣れてないけど者になるためにガンガン絵を描いて行こうっていう方にはうってつけです。
上記以外にも、
「リキテックスプライム」「ホルベインアクリリックカラー」「ゴールデンアクリリックス」
などがありますが、
「ホルベイン」「ターナー」「リキテックス」「ターレンス」等名のあるメーカーを選べばハズレなんてのはありません。
もう1つ「アクリルガッシュ」っていうアクリル絵の具の種類がありますが、これはアクリル絵の具とは別モノで、
アクリル絵の具の主な特徴とした、
・透明度が高い
・耐久性が高い
・柔軟性が高い
がありますが、
ひるがえって、「アクリルガッシュ」の特徴は、
・不透明
・耐久性が低い
・柔軟性が低い
って違いがあり、この特性を生かしてポスターやイラスト、絵本の原画っていう印刷されることを前提とした作品に使われることが多いです。
「アクリルガッシュ」を使って厚塗りをやってみたいそこのあなた、
数あるメディウムの中のモデリングペーストってのを使ってみて下さい。
「アクリルガッシュ」絵の具単体で厚塗りをするとヒビ割れを起こすんで注意してね。
・筆
アクリル絵の具は水溶性の絵の具なんで、水彩絵の具と同じ様に水で溶かすことが出来ます。なので、普通に水彩用の筆で問題ないです。
私はアクリル絵の具を使って描く時、ナイロンのものを使うことが多いです。
・パレット
紙パレットがおススメです。
プラスチック、木製、ホーローのものも使えますが絵の具が乾いて固着すると取るのが大変です。
スクレーパーで剥ぎ取るか、溶剤を使って溶かすかしないと取れません。
・水入れ
これは100均のバケツでOKです。
筆洗い用と差し水用の2つ用意すると便利です。
・スプレー、水差し
必ず必要ではありませんが、あると便利です。
これも100均のコスメ用のものと調味料入れで代用できます。
・用紙
特にこれでなければダメと言うものはありません、
水彩紙と銘打ってあればハズレなんてのはありませんが、種類が多いのであなたの好みで選んでOKです。
私は※ワトソン紙(ロール)、※ブロックタイプ水彩紙を使ってます。
※ワトソン紙
日本で製造されている、高級水彩紙です。
水に強いのが特徴で、品質が高く入手もしやすいのでポピュラーな水彩紙の1つのです。
※ブロックタイプ
10枚~20枚の水彩紙が重なって出来ているモノのことで、紙の四辺がノリで固定してあるんで、水を使って絵を描く時によれにくくて使いやすいです。
刷毛などを使ってビタビタにしちゃうと流石によれますが、紙全体が湿るような使い方なら水張りをしなくてもいいんで便利です。
・雑巾、ボロ布
これも何でもいいです。筆に含んだ余分な水を取るのと、使い終わってからの筆の手入れに使います。
100均で代用できるものは100均で良いですが、
あまりにも安い画材は思うような仕上がりにならず余計なストレスになるんで、
絵の具、筆、パレット、紙は最高級のものでなくてもある程度はお金出して良いものを使いましょう。
では、今回のまとめとして、
まとめ

アクリル絵の具のメリット
①1つの絵の具で水彩画風にも油彩画風にも使える
②何にでも描ける
③乾くのが早い
④乾くと耐水性になる
⑤発色が鮮やか
⑥透明度が高い
⑦匂いが殆ど無い
⑧耐久性、耐光性が高い
⑨柔軟性が高い
⑩各種のメディウムを使うことで表現が増える
アクリル絵の具のデメリット
①水彩画風、油彩画風に描けると言っても完璧に同じようには描けない
②乾くのが早いので油断すると筆やパレットにカチコチに固着してしまう
③透明度が高く下の色が透けて見えるので、修正する時何回も塗り重ねないとならないのでメンドイ
いかがでしたか、今回はアクリル絵の具で絵を描いてみようと思ってるそこのあなたに、
最初に揃える道具と、基本的な使い方、オススメの画材等を紹介してきました。
どんな絵の具、画材でもガンガン描きまくって、その画材と仲良くなるのが基本ですね。
その特徴を生かして挑戦してみてはどうですか?
最後までお付き合いして頂きありがとうございました。
では、また別のところでお会いしましょう。
記事を読んで何か感じることがあればご意見やご感想をお聞かせください!